はじめに
先日とあるシステムの引き継ぎ作業が完了しました。ぼくの会社が引き継がれる側で、今までそのシステムを担当していた別の会社が引き継ぐ側になります。
ぼくは、引き継ぎ作業の発注から引き継ぎの実施、引き継ぎ資料のレビューまで、すべて担当しました。その中で引き継がれる側として、いくつか感じたことを書いてみたいと思います。
経済界
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1.引き継ぐ側のモチベーションは低いと認識する
はっきり言って、引き継ぐ側のモチベーションは低いです。もう終わりだからと思っているのかわかりませんが、ものづくりをしていた時期のモチベーションとは、あきらかに違うと思っていたほうが良いです。
たとえば、こちらから相手の担当者へ、システムのこういった部分がわらないので、理解できるような資料を作成してもらいたいと依頼します。すると相手は依頼された部分の説明しかしません。他にこういった点も注意したほう良い、などのアドバイスはありません。
相手の立場を考えてみれば当然ですね。"言ったもん負け"みたいな世界で、そんなアドバイスをしたら、作業量が増えてしまいますから。誰も好き好んで無駄な作業はしたくないですからね。
2.聞きたいことをとにかく列挙する
引き継ぎが成功したかどうは、その時点では判断できません。
時間がたって、振り返ってみて、あのときの引き継ぎが成功したか、失敗したかがはじめてわかります。それでも、引き継ぎをうまくやるためには、「聞きたいことをどれだけ列挙できるか」にかかっているような気がします。
1.でも書いたように、相手のモチベーションが低い中で、どれだけ聞きたいポイントを提示して、引き継ぎ資料に落とせるかが重要です。引き継がれる側の担当者もある程度そのシステムの中に入り込んだ人でないとダメということになります。
ぼくの場合、幸いにも1ヶ月だけですが、担当の人と一緒に開発作業を実施していたため、ぼくが分からないポイントを列挙して提示することができました。
3.引き継ぎ期間をできるだけ伸ばす
引き継ぎ期間は、担当者の思いとは裏腹に短くなりがちです。
相手の担当者も次の仕事が決まっていたりして、引き継ぎだけに専念できるケースというのは少ないです。そういった場合、相手は引き継ぎを短期間で一気にやろうとしてきますが、そこは妥協せずに引き継ぎ期間を十分にとったほう良いです。
たとえば、引き継ぎを1ヶ月(20営業日)でやると提示された場合は、それを3ヶ月に伸ばしてもらい、その代わり1ヶ月あたりの作業時間を6日程度に分割して引き継ぎをするような契約にしてもらいます。
あまりにも短期間だとこっちが引き継がれたことを吸収できないので、可能な限り伸ばしてもらったほうが良いです。
4.資料の説明は対面で行うよう依頼する
引き継ぎは、必ず対面で説明をお願いした方が良いです。
資料だけでは、わからない部分が必ずでてきますし、電話やメールだと煩わしくなりがちです。資料作ったので見ておいてくださいはNGです。
会話をしている中で聞きたいことを思いつくこともありますので、対面で資料の説明をしてもらうようお願いしたほうが良いです。
おわりに
以上の4点が引き継ぎ作業を行っていく中で感じたことです。
引き継ぎ作業は、そう頻繁にあるわけではなく、かつマニュアルに落としにくいため、試行錯誤しながらやっていく必要があります。そこは、担当者同士で会話しながら、着地点を模索していく必要があります。
何からはじめたら良いかわからない場合は、自分一人だけで開発や保守をすることをイメージすると、何が自分にとって足りない情報かが分かってきます。それらを整理すると、自然と聞きたいことが浮かんでくると思います。